夢だと思うんですけどねぇ。
夢じゃなかったら怖い。
夢じゃなかったら怖い。
昼寝をしていたときのことです。
遠くでチャイムの音が聞こえて、ふと目が覚めました。
――お隣さんかなぁ、それともそのまたお隣さんかなぁ。
壁薄いんですよね。うちのアパート。
なのにチャイム音はバカでかいんで、結構響いてくる。
おかげで目が覚めちまったい。
起きぬけでぼ~っとしていたのでしばらく横になっていました。
すると、何やら音が聞こえてくる。
ガチャガチャという乱暴な音。
ドアノブはもうちょっと丁寧に扱いなさい。まったくもー。
しばらくすると、ハァハァと荒い息が聞こえてきた。
……ガチャガチャ音はともかく、息なんてさすがに隣からは聞こえねぇべ?
しかも壁と反対方向から聞こえてきてんぜ?
てことはうち? うちなのか?
思わず体がこわばる。
誰か入ってきてるわけないよな。
でも、じゃあなんで人の気配がするんだ? 一人暮らしなのに。
ふとんを顔まで被っていたので、視界の半分は布団。
気持ち隠れるようにして部屋の中を見てみると、何やら人影が。
そして響く重い足音と、いろんなものを踏みつけるような音(散らかってますんで。さーせん)。
顔はよく見えないけど(ド近眼のため)、体格くらいは分かりました。
ずんぐりむっくり、って感じだ。背は自分と同じくらいか(165cm前後)。
男の人? 髪は、男の人だとしたら長い。
こんな知り合いはいない。
ていうかいても勝手に上がり込んでよい道理はない。
パニックになり、体はますます硬直していく。
そしてその人影は、と言えばのそりと動きだして。
……ッ近づいてきやがるコイツ!
布団(私in)を見降ろすような感じで、その人影はしばらく停止。
その間、こっちは心臓バクバク。
気づいているのか、いないのか。
いや、気付いていて寝ているかどうか確認しているのかも。
目があったわけではないけれども、尋常でない視線を感じた。
覗きこむでもなければ布団をはぐでもなく、じっと見下ろされる恐怖。
動いたらやばくね?
漫画的表現で行くと、汗だらだら状態。
息がひきつって、相手に聞こえてしまうんじゃないかと焦る。
耳元でざわつく音は、自分の息なのか、相手の息なのか。
ていうか誰だこいつ。
侵入者? 泥棒? 強盗?
どれにしたって対峙する度胸はない。
それに鍵は……閉めていたはず(自信なし)。
というか、玄関開けてももうひとつ扉あるから、音が1度しかしなかったのはおかしい。
しばらくすると、ハァハァ音は遠ざかって行きました。
ほっと一息。しかし油断はできず、息をひそめる。
気配はまだしていたんですよね。
何が目当てか知らんが、部屋を漁ろうとしてんじゃねぇよバカ。
どうすっかなぁと悩んでいるうちに、音がしなくなりました。
ガサガサとうるさかったんですが。
息をひそめている……とも思えないし、のそりと起き上がり、周囲を確認。
――異常なし。
今度こそ、ようやく一息つける。
あり得ないとは思うけど、誰かいたら怖い。
体格からして勝ち目はないし。
……いや、誰もいなかったってのもよくよく考えれば怖いじゃねぇか。
一体なんだったんだ、あの人影は。
鼻息とか妙にリアルで怖かった。
夢だと……いいんですけどねぇ。
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この話、実話ですか? こわ~い!
これ、小説にしてくださいよ。ホラージャンルで。
「恐怖! 侵入男と私」なんてお題でいかがですか?
結末をさらに、ああして、こうしたら、ぜったい面白そうやと思うけど……ダメでしょうかねぇ。
驚くべきことに実話っす! めっちゃ怖かったぁ。
>これ、小説にしてくださいよ。ホラージャンルで。
確かに、あの怖さをリアルに伝えられたら……ッ!
しかしあんまりリアルに思い出すのも嫌というジレンマ;
むしろ菜宮さんが書いてくださいよ~。
自分、最後まで読めない自信がありますよ~(←ぉぃ)
小説にしてみたら、いろんな意味で涙目な作品になりそうで、書く気になれません;
書いた本人が怖いと思える、なんてホラーとしては最高なんだろうけど……。